『ストレンジャー・シングス 未知の世界』11月27日(木)シーズン5配信開始

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『ストレンジャー・シングス』名前は何となく聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。2016年からNetflixで配信されているアメリカのSFホラードラマです。以前から評判は聞いていましたが、私は日本や韓国の作品にばかり夢中になっており、アメリカ作品は最近あまり見ていませんでした。Netflix内で『ストレンジャーシングス 未知の世界』最終シーズンが11月配信と知り、これまで4シーズンあることも知って興味を持ちました。視聴してみると、シーズン1から想像を超える世界観にすっかり魅了されました。今回は、その感想をお伝えします。

登場人物:キャスト

シーズンごとに新しいキャラクターが登場するのが見どころですが、ここでは長く物語の軸となっているキャラクターを中心に挙げます。この作品は多くのキャラクターに焦点が当てられており、一人の主演を特定しにくいのが特徴です。とはいえ、中心となって動く少年たちからまず記載しています。シーズンを通じて、全キャラクターに見せ場が用意されているところも大きな魅力です。

少年たち
エル(イレブン):ミリー・ボビー・ブラウン
マイク:フィン・ヴォルフハルト
ウィル:ノア・シュナップ
ダスティン:ゲイティン・マタラッツォ
ルーカス:ケイレブ・マクラフリン
マックス(シーズン2から):セイディー・シンク
※少年たちは初登場時中学生で、まだ小さくて小学生のようでしたが、シーズンごとに徐々に大きくなっていきます。(シーズン4では高校生)

少年たちの兄弟や親
ジョナサン(ウィルの兄):チャーリー・ヒートン
ジョイス(ウィルの母):ウィノナ・ライダー
ナンシー(マイクの姉):ナタリア・ダイアー

その他
ホッパー(ホーキンス警察署長):デヴィッド・ハーバー
スティーブ:ジョー・キーリー
※シーズンごとに新しくキャラクターが追加されていき、他にも存在感のあるキャラばかり出てくるのでどんどんおもしろくなっていきます。

シーズン1(2016年)

全シーズンを通して、1980年代のインディアナ州のホーキンス(ホーキンスは実在しない町)という町が舞台となっています。

シーズン1では、少年ウィルの失踪事件を軸に子どもたちと大人たち、それぞれの視点が交錯し「裏側の世界」の謎に迫るといった内容で、謎解きと冒険心を同時に楽しめます。


複数の視点で進む物語構成が飽きず、一気に見はまってしまいます。少年たちが超能力を持つ少女エルと出会い、未知の世界へ踏み込む展開は、子供の頃に想像するような世界観を感じます。「怪物がいる、これでやっつけるんだ」みたいなことや、超能力への憧れですね。
マイク、ダスティン、ルーカス少年たち、警察官ホッパーやウィルの母親ウィルを見つける目的でそれぞれ違う場面で動きます。また、ウィルの兄ジョナサンマイクの姉ナンシーも同じような目的ですが、別の事件も絡み、謎に迫ります。
登場人物の視点が多数あり、ウィルの失踪をきっかけに、マイク、ダスティン、ルーカスらの視点を追いながら、ホーキンスの裏側の謎が徐々に明らかになります。ウィルの母・ジョナサン、ナンシーなどの家族や他の大人側の捜索も同時進行で描かれ、子どもの冒険と大人の捜索が交錯します。

全体のトーンは、子どもの頃の冒険心と現実の緊張感を両立させるような、ノスタルジックでスリリングな雰囲気です。私はかなり久しぶりに謎の怪物が出てくる系を観て、金曜ロードショーで放映される昔の映画のような雰囲気を感じました。アメリカの映画やドラマが好きな人や、その時代をよく知る人たちにはさらに楽しめるのではないでしょうか。各話約42~56分 全8話です。

シーズン2(2017年)

※これ以降、シーズン1のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。

シーズン2はシーズン1での「裏側の世界」が現実にも影響してくる展開で、キャラクターの成長や人間関係の変化が丁寧に描かれていています。怪物も進化し、ウィルには依然として不遇な状況が続きます。


シーズン1の約1年後の1984年が舞台です。1の終盤では解決したと思われた謎が、最後の最後で再び動き始めたような描写で終わりました。2での新たな展開として、ダスティンが発見した不思議な小さな生物や、警察官ホッパーが捜索する腐ったかぼちゃ畑が、やはり同じ理由へとつながっていきます。ホッパーは、シーズン1からの頼り役であり、ピンチの場面ではヒヤヒヤします。
新キャラの少女マックスも加わり、少年たちもそれぞれ変化していきます。少年たち、ナンシーなどの恋愛要素も増え、様々な関係性の変化が生まれます。スティーブはただのナンシーの彼氏だと思っていましたが、ダスティンと接触することで思わぬ関係性へと変化するところがとてもおもしろい展開でした。今後のシーズンでもこの二人の関係は継続していくため、二人の登場シーンは私のお気に入りの一つです。最初は好感が持てなかったスティーブですが、2で見え方が変わりました。ナンシーも最初はあまり好きではありませんでしたが、二人とも成長していき、今後もどう変わっていくのか気になります。

第2章での「ゴーストバスターズ」のエンディングの入り方がいい感じで、有名な映画や音楽が取り入れられているところも魅力的です。映画の内容は恥ずかしながら詳しく知りませんが、私でも聞いたことがある曲で、その時代に人気だった時代設定もよく感じ取れました。
キャストでは、私でも見覚えのある俳優を一人発見しました。その人が誰かと調べたところ、やはり一致しました。新キャラ・ボブは『ロード・オブ・ザ・リング』のサム役(ショーン・アスティン)だと分かり、マニアックかもしれませんが、ロード・オブ・ザ・リングが大好きなので気づきました。このような発見があってうれしいので、作中に出てくる他の有名映画や音楽についても知りたいと強く思いました。

怪物が登場する物語でありながら、恋愛要素や友情も絡み、キャラクターたちの表情を追うと心理描写の変化が意外と丁寧だと感じます。謎の継続性とキャラクターの成長が楽しめるシーズンです。全9話、各話約46分~62分です。

シーズン3(2019年)

このシーズンは、ソ連の組織と怪物という脅威を軸に展開します。おなじみのメンバーに新キャラが加わり、成長と人間関係の変化が描かれていきます。全体的にトーンはやや明るくなりつつも、緊迫感は持続し、怪物の気味悪さは、物語が進むにつれてさらに強まります。

シーズン2から1年後の1985年を舞台に、舞台設定の新たな要素として大型ショッピングモールロシア要素が登場し、物語の広がりと緊張感が増しています。新キャラの出現により人間関係が変化し、既存キャラとの新しい組み合わせがおもしろい効果を生んでいます(新キャラはスティーブのバイト先のロビン、前シーズンにも少し登場しましたが、ルーカスの妹エリカ、ロシア語が話せるおじさんマレーなどが活躍します)。

少年たちは成長し、男女の関係性の変化も描かれます。仲間に女の子が加わることで関係性が変わり、マイクとエルは二人の世界という感じに、ルーカスとマックスもそれぞれの距離感をつかむ様子が描かれ、前シーズンとは違う意味でウィルがかわいそうに見えてしまいます。エルは前シーズンで嫉妬深いというイメージを抱きましたが、今回のマックスとのシーンでは新たな表情が見られ、成長を実感しました。初めは言葉の意味もよくわからなかったような女の子が普通の女子へと変わっていく過程も微笑ましいです。恋愛模様を目撃する大人たちの心配する様子は、笑いを誘う場面でもありました。このシーズンは全体的に明るいシーンが多く感じられます。

スティーブは、当初の彼氏ポジションから頼れる仲間へと成長している姿が魅力的です。気づけば彼が登場するシーンが一番好きになっていました。主要人物たちが数名に分かれて目的のためにそれぞれ違う場所で行動していますが、終盤に全員が集結する瞬間は圧巻でした。

本シーズンの軸は、成長と関係性の変化を軸に、ソ連のゲート阻止と怪物という脅威を絡めた物語展開です。満足感の高い展開が多く私は一気見しましたが、配信開始と共に観た方は次のシーズンまで本当に待ち遠しかったでしょうね。しかし最終シーズンまで私もそれを味わうことになるのです(笑)。全8話、各話約50〜78分です。

シーズン4(2022年)

このシーズンは、ホーキンスでの新たな惨殺事件を軸に、これまでの謎が一気に回収されます。舞台を広げたことや人間の心理にまで踏み込むことで、物語の奥行きと緊張感が格段に高まっています。

舞台は1986年(少年たちは高校生へ)、ホーキンスだけでなく、カリフォルニアやソ連などに広がり、物語のスケール感が増しました。怪物が人間の心にも踏み込む描写や、登場人物それぞれが恐怖や葛藤と向き合う場面が増え、心理的な緊張が高まっています。怪物のビジュアルも恐ろしい人型となり、より強く、より賢くなっています。登場人物たちが惨殺事件や怪物の謎に迫る中で、次々とそれぞれの敵から逃れる緊迫したシーンが続き、見応えがあります。キャラクター全員に見せ場があり、全体として非常に完成度が高いです。毎回新キャラの投入や、複数の視点から進む展開が飽きることなく楽しめます。癖の強い新キャラ(ホーキンス高校ヘルファイアクラブのエディジョナサンの友人アーガイルなど)が既存キャラと絡みおもしろさが増し、物語の展開が飽きずに進みます。

このシーズンは各話がすべて1時間以上あり、非常に選び難いですが、第4章「親愛なるビリー」第7章「ホーキンス研究所の虐殺」が今までの謎の山場という感じでかなり最高でした。特に7章では、シーズン1からの忘れかけていた疑問が一気に回収された瞬間は鳥肌が立ちました。

総じて、シーズン4はシリーズの最大の見どころのひとつであり、シーズン5以降へ向けても期待を高める完成度を持っていると感じます。映像美とストーリーの密度キャラクターの成長すべてが高レベルにまとまっており、このクオリティでシーズン5までなら、このドラマだけのためにNetflixに加入する価値があると思います!全9話、各話1時間以上、最終話は約2時間です。

※本ページは2025年8月時点の情報です。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください。

終わりに

笑うところ、泣けるところ、感動するところ、気持ち悪いところ、様々な要素が詰まっています。登場人物には子どもも大人もおり、複数の視点で物語が展開するので、幅広い年代で楽しめる作品だと思います。最初の配信からおよそ9年が経過しているため、小さかった俳優さんたちも成長し時の流れを感じます。

私にはわからない映画や音楽がたくさん登場しますが、詳しく知っていればもっと面白いのだろうなと思います。たびたび、何かの映画やゲームの話をしているのだろうと感じる場面がありましたが、わからないのがもどかしかったです。『スター・ウォーズ』『ゴーストバスターズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など、私でも知っている作品も登場していました。他にも多くの作品へのオマージュがあるそうですが、私があまり知らない作品もあり、過去の作品にもかなり興味が湧きました。これを機に、過去の名作を観てみようとも思いました。
さらに、「任天堂」という言葉が登場し、日本のアニメ作品『AKIRA』にも影響を受けた監督の作品ということで、日本とも関係していることがとても嬉しく感じられます。

シーズン5は3回に分けて配信。VOL.1(第1話から第4話)は11月27日(木)、VOL.2(第5話から第7話)は12月26日(金)、フィナーレ(第8話)は2026年1月1日(木)10時に配信開始とのことです。私のように間隔が空くと待ち遠しくなるので、一気に観るのがおすすめです!