たびたび取り上げている記事ですが、Netflixでも観られるおすすめのWOWOWドラマについて、またまたハマってしまう作品に出会いました。2016年から「連続ドラマW」シリーズとして放送された『コールドケース~真実の扉~』です。Netflixで毎日少しずつ観て、気付けば一気に見終わってしまいました。
以前はWOWOWに加入せず、Netflixだけで十分だと思っていましたが、最近ではお金に余裕があればWOWOWにも加入したいと思っているほどになっています。
このドラマは基本的に1話完結のストーリーで、どのエピソードも引き込まれる魅力があります。毎回観終わった後は、「真実がわかって良かった」と思う一方で、悲しみや怒りなどのさまざまな感情が湧き上がってきます。今回は、印象に残ったエピソードを含め、私の感想をお伝えします。
あらすじ・感想
このドラマは、未解決事件をほぼ人の証言や人間関係を軸に解決へと導く刑事ドラマで、非常に引き込まれる内容です。アメリカのテレビドラマシリーズのリメイク作品になります。
1話完結ながらも、登場人物の背景やストーリーの深さがあり、社会問題もリアルに描かれているため、毎回考えさせられます。演出や映像表現も凝っており、時代がわかりやすく表現されています。さらに、キャストも個性的で魅力的で、チームの絆や人間関係も自然に描かれています。
物語は、神奈川県警捜査一課の女性刑事・石川(吉田羊さん)がチームとともに未解決事件を追い、解決に導いていく内容です。毎回異なるゲストが登場し、事前情報なしで見る方が楽しめるでしょう。その当時は今よりもそこまで知名度がなかったけれども、現在では主役級になっている俳優が少しだけ出演していたり、時には大物俳優も登場します。
このドラマを観ると、加害者にも感情移入してしまうことがあります。加害者でありながら、被害者でもあった一面もあり、少しのズレや誤解から事件が起きてしまう現実にも気付かされます。事件の真相や報われる場面に希望を感じさせる一方、悲しい真実も隠されていて、見ていて胸が痛むことも多々ありました。証言や人間関係をたどることで、殺人事件の真実に迫ります。
また、映像では、その当時の時代背景や空気感が色濃く反映されており、映像を通じてその時代を感じ取ることができます。90年代や昔のテレビの映り方を再現した演出もあり、その工夫には引き込まれます。
吉田羊さんの刑事役がかっこよくてかなりハマり役で、もっと主演でお願いしたいです。吉田さん以外のキャストも、高木(永山絢斗さん)、立川(滝藤賢一さん)、ねこさん(光石研さん)、課長代理(三浦友和さん)、それぞれとても存在感があり、みんな好きなキャラクターです。
最初に登場人物やチームの関係性の説明があるわけではないのですが、観ていくうちにチームの関係性や絆が自然とわかってきて、とてもいいチームだと感じます。シーズン2や3では、メンバーの過去や人間関係が描かれ、より深く人物像が掘り下げられています。
このドラマは、未解決事件や社会問題を通じて人間の本質に触れると共に、純粋なミステリーとしても楽しめる作品です。性被害や虐待、戦後、中国残留孤児など、重いテーマもリアルに描かれており、改めて考え直すきっかけになりました。シーズン4も絶対にやってほしいですし、ますます多くの人に観てほしいおすすめの作品です!
各話タイトル
振り返ってみようと各話のタイトルをまとめてみたところ、その話に最も適したタイトルだと改めて感じます。初めて見る方の楽しみのため、ゲストをまとめることはやめておきます。
シーズン1(2016年) | シーズン2(2018年) | シーズン3(2020年) | |
第1話 | 閉ざされた声 | 学生運動 | 鼓動(前編) |
第2話 | 記憶 | 名前のない殺人者 | 鼓動(後編) |
第3話 | 冤罪 | PKO | 女優 |
第4話 | オリオン | 執行 | オルゴール |
第5話 | プール | 指輪 | 夜のドライブ |
第6話 | 恋文 | バブル | 壁の女たちへ |
第7話 | 同窓会 | 光と影 | 思い出の渚 |
第8話 | ミレニアム | 17歳の母 | 汚名 |
第9話 | 約束 | シベリアの涙 | 故郷 |
第10話 | 黒い森 | 真犯人 | 母の条件 |
印象的なエピソード
どの回が好きかと尋ねられると、選び難いほどすべての回の出来が良いと感じています。特に、物語の終盤の演出は毎回同じなのですが、セリフはなく映像だけで全てを語るシーンが一番好きで、何とも言えない複雑な気持ちになります。
●シーズン1:第5話「プール」、第7話「同窓会」、第10話「黒い森」
多くの事件を見ていく中で思ったのが、家庭や教育環境が人格形成にいかに大きな影響を与えるかということです。特に、「プール」「同窓会」「黒い森」の3話では、そのテーマが強く印象に残りました。ユースケ・サンタマリアさん演じるキャラクターが不気味で怖いです(笑)。
また、「プール」や「同窓会」では中高生の時期の人間関係や友達関係の複雑さを思い返します。大人になったらもう少しうまく接することができただろうに、なぜあの時はそうできなかったのかと思いそうです。
●シーズン2:第4話「執行」、第8話「17歳の母親」、第10話「真犯人」
「執行」のエピソードでは、冤罪と正義について深く考えさせられました。たった一人の証言が嘘だっただけで・・・あの時真実を話していたら・・・後になって真実がわかったとしてももう取り返しがつかない、非常に悔やまれる回でした。ねこさん(光石さん)の正義、上司とのシーンはとてもスッキリしました。
「17歳の母親」「真犯人」のエピソードは、予想外の犯人でした。実は遠いようで身近な存在だったことに驚かされました。でも「真犯人」は何となくあの俳優さんが出てきた時点で変な違和感を感じていた自分がいます(笑)。
●シーズン3:第1,2話「鼓動」、第6話「壁の女たちへ」、第8話「汚名」
シーズン3は登場人物の過去を交えながら描かれていました。特に、父親や母親に関するエピソードが多かったような気がします。第1,2話だけ前後編で、まるで映画のような感覚を味わえました。
第6話「壁の女たちへ」の終盤、石川の悔しさのような感情が爆発するシーンはとても印象的です。また、第8話「汚名」では、今までとは違った立川のシーンも涙を誘う回となっています。
全シーズンを通して、1950年~70年代の古い事件も取り上げられていて、非常に見ごたえがあります。その回では、現代までの長い年月を経ても、隠し事を背負ったまま生き続ける人々の姿がとても印象的でした。
※本ページは2025年8月時点の情報です。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください。
終わりに
この人に一体何があったのか、何を思っていたのか・・・過去に遡り、人の心の揺れ動きを描きつつ真実にたどり着くところが魅力のドラマです。戦後やバブル期、ミレニアム期などの時代も取り上げ、遠い過去の出来事でも真実を語ることの重要性を強く感じました。また、未解決事件の解決の難しさについても考えさせられました。映像は時代の雰囲気や空気感を巧みに表現しており、最後の演出も毎回心に残ります。
このドラマにすっかりハマってしまい、少しロス気味なので、似たような刑事ドラマを探しています。(笑)これほどおすすめできる刑事ドラマはなかなかありません!