ドラマ名に好きなジャンルである「復讐」が入っていたため、『レザレクション:復讐の棘』を見始めました。特にランキング入りしていたわけではなく、マニアックかもしれませんがNetflixの新着作品として発見しました。韓国ドラマだと思っていたところ、台湾ドラマだと知り、初めての台湾ドラマ視聴となりましたが、韓国ドラマと並ぶ面白さを感じました。ただ、発想がかなりぶっ飛んでいる点が印象的です(笑)。復讐に蘇りがプラスされるという現実離れした始まりですが、人間の心理も深く描かれており、飽きることなく全9話と一気に観られました。今回はそのあらすじと感想をお伝えします。
予告編
You tubeには日本語字幕の予告編がないようで申し訳ないのですが、英語字幕の予告編になります。
登場人物:キャスト
ワン・フイジュン(ジェンジェンの母):スー・チー
ジャオ・ジン(シンイーの母):アンジェリカ・リー
イージェン(アンチーの母・弁護士):アリッサ・チア
ジェンジェン:ヴィヴィ・チェン
シンイー:ケイトリン・ファン
アンチー:リン・ティンイー
ジャン・シーカイ:フー・モンボー
ジャン・シーカイの母:チョン・シンリン
ジャン・シーカイの妹:リウ・ジューピン
ポン:スコラワット・カナロット
イーソン:ナタワット・フィンラー
台湾ドラマを初めて見たので、俳優さんは全く知らない方々でしたが、いずれも有名な方々のようでした。調べていくうちに、アンチー役のリン・ティンイーさんが、2025年12月放送の日本のNHK放送100周年特集ドラマ『火星の女王』(全3回)に出演されることを知りました。(菅田将暉さん出演)
最近になって『火星の女王』の情報を得たところ、キャストの中に、台湾出身の女優「スリ・リン」と記されているのを見つけました。なぜか顔を見覚えがある気がしてさらに調べたところ、スリ・リンとリン・ティンイーが同一人物であることが分かりました。(中国語表記と英語表記で名前の表記が異なるようです)
あらすじ・感想
◆配信開始
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) October 9, 2025
Netflixシリーズ
『レザレクション: 復讐の棘』(台湾)
娘を失った2人の母親は
無念を晴らすべく、ある儀式を用いて
犯人を生き返らせ復讐を実行してしまう。
しかし真実が明らかになるにつれ、
彼女たちの正義は揺らいでいき…。#レザレクション復讐の棘 pic.twitter.com/We9HppgtCw
現実にはあり得ない復讐の軸を軸に据えたこのドラマは、「母親の愛」と「信頼と疑念の関係」を強く描き出しています。視聴中ずっと緊張が途切れず、結末へ向けて予測不能な展開が続くので、見終えた後も強い余韻が残りました。
「死んだ人間を生き返らせたい」という考えは、大切な人に対して誰しも抱くものですが、このドラマでの蘇りは普通では考えられない、復讐のための異常なものです。確かに、娘を長い間苦しめて殺した極悪人のあっけない死刑執行を見れば、被害者家族たちは納得がいくはずがありません。
単なる復讐ドラマに留まらず、「正義とは何か」「誰が味方で誰が敵か」という不確実性を軸に据え、視聴者に考えさせる構造が秀逸です。さらに注目すべきは、現実社会にも潜む詐欺集団の脅威を描くことで、作品に社会的な現実味を与えている点です。テレビで耳にするニュースの危機感とリンクし、恐ろしさがよりリアルに迫ってきます。
物語の始まりは不気味な儀式のようなシーンから始まり、振り返るような形で物語が展開されます。シンイー、ジェンジェン、アンチーという少女たちが詐欺グループの暴力や苦難を経験する中、シンイーは命を落とし、ジェンジェンは植物状態、アンチーだけが秘密を抱えつつ生き延びました。リーダーのジャン・シーカイは死刑執行を迎えるものの、被害者の母親たちには非常に報われない死刑執行です。二人の母親は死者を生き返らせる儀式を通じ、復讐の決意を固め、資金と警察を駆使して遺体を入手し、第3話で復讐が始まります。復活は7日間だけ可能で、娘が傷つけられたようにシーカイを痛めつけ苦しめますが、7日が過ぎれば現実へ戻り、何も残らないという結論に達します。ここから母たちは、痛みを与えるのではなく心理戦へ戦略を転換していき、その過程は実に緊迫します。外部にバレそうな局面ではヒヤヒヤと緊張が走り、先が読めない展開が続きます。
登場人物の信頼関係は次第に崩れ、誰が本当の味方なのか、誰が嘘をついているのかが見えにくくなっていきます。この謎解きの要素が、9話までの展開を張り巡らせ、次シーズンへの期待も高まります。(おそらく次のシーズンがあるような謎を残した終わり方でした)
作中に登場する「詐欺集団」は現実社会の問題意識と直結しており、ドラマとしての啓発的側面も担っていると思います。テレビのニュースで見聞きする社会の危機とリンクさせることで、作品全体の説得力が増しています。私が以前観た『アドレセンス』でも感じた、“子どもが裏で何をしているのか親にはわからない”というテーマが、このドラマでも色濃く表れています。お金を稼ぐため、友達もいるため、抜け出せない場所へと誘われてしまう恐怖。シンイーの回想シーンは特に痛々しく、目を覆いたくなりました。
このドラマは、復讐を通じて家族愛と信頼の絆を描くと同時に、視聴者に強い緊張感と謎解きの興奮をもたらします。全9話、各話約1時間です。
次シーズンがあるならば、さらに深掘りされる人間ドラマに期待が膨らみます!
※本ページは2025年10月時点の情報です。最新の配信状況はNetflix公式サイトにてご確認ください。
終わりに
趣味が悪いかもしれませんが(笑)、かなりおもしろかったです。衝撃的な設定で、ただの復讐だけでなく人間の複雑な心理も描かれていました。主人公が母親であることから、母親の立場で観るとまた違った視点で観られるのではないかと思います。詐欺や誘拐といったテーマも、誰にでも起き得る身近な問題として描かれており、詐欺の裏側を知ってゾッとしました。また、ひとりが嘘をつくことで友情が崩れ、疑いの心が悲しい結果を生み出すことを強く感じました。ほかの台湾ドラマも観てみようと思います!
