ミュージカル『レ・ミゼラブル』~博多座(福岡)公演レポート~

音楽

ミュージカルにはなんとなく敷居が高いというイメージがあり、お金持ちの人や音楽関係者が行くところだと勝手に思い込んでいました。しかし、あるきっかけでミュージカルを観てみようと思い、チケットを購入して実際に行ってると、生歌に魅了され、こんなに素晴らしい世界があるのかと感銘を受けました。また、近年では、歌番組でよくミュージカル特集が組まれることが多く、ミュージカル俳優の方々が歌う姿を目にすることもあり、興味を持ち始めた方もいるのではないでしょうか。

本記事ではミュージカル「レ・ミゼラブル」博多座(福岡)公演を観てきたことについてお伝えします。

ミュージカル『レ・ミゼラブル』 博多座公演に行って

博多座公演スケジュール:2025年4月6日(日)~30日(水)

ミュージカル「レ・ミゼラブル」鑑賞のきっかけ

ミュージカル「レ・ミゼラブル」を鑑賞するきっかけは、映画を観たことがあったからです。そのため、話の内容がわかっていたので、入りやすかったというのもあるかもしれません。ヒュー・ジャックマンさん主演のミュージカル映画が2012年に公開され、知人から面白かったと聞いて観たところ、非常によかったのを覚えています。それが私にとって初めてのミュージカル映画で、歌いながらセリフが展開されていきますが、歌によって感情が一層豊かに表現されているように感じます。大勢で歌うシーンは画面越しでも迫力があり、非常に魅了されました。

私が住んでいる九州では、博多座でミュージカル公演があることを知り、なんとなく興味をもちました。しかし、一度も行ったことがなく、どんな感じなのかわからないけど観てみようと思い切ってチケットを購入することにしました。

6年ぶりの「レ・ミゼラブル」

博多座に「レ・ミゼラブル」を見に行くのは、6年ぶりの3回目でした。このミュージカルは1980年代からすでに公演されていたようですが、2013年から新演出となったそうです。私が初めてミュージカルを観たのは確か2017年でした。その2年後の2019年も観に行きましたが、それ以降はコロナの影響で、2021年は残念ながらあきらめざるを得ませんでした。公演関係者にもコロナ陽性者が出て、公演中止になった時期もあったようです。その後もコロナがどうなるかわからない時期が続き、もう行けないのではないかと半ばあきらめかけていました。しかし、しばらくは都合が合わず行けなかったものの、今回なんとかやっと6年ぶりに行ける運びとなりました。

座席について

座席についてですが、補助席しか確保できませんでした。なんと、販売開始後すぐに完売してしまい、通常の席を購入することができなかったのです。販売開始日にサイトを確認したところ、すでに完売していて絶望的な気持ちになりました。以前は販売開始後でも結構な日数が経ってから購入できたのに、本当に甘く見ていたと後悔しました。

どうにかして行かなければと、他に販売がないか探していると、後から補助席の抽選があることを知り、それでもいいと思い応募したところ、見事当選しました。以下チケットの詳細です。

【平日】
A席 17,500円 B席 11,000円 C席 6,000円           

【土日祝・千穐楽】
A席 18,500円 B席 12,000円 C席 7,000円  
 

ちなみに私が購入できたのはB席補助席(2階最後列)11,000円です。
※上記以外:A席補助席(1階および2階バルコニー)17,500円 立見(3階)4,200円

私はとにかく見れれば席にこだわりはありませんが、結果的に補助席は非常に満足のいく席でした。2階席の一番後ろの列だったのですが、補助席なので前に人がいない分、視界は広く見えやすくて居心地もよかったです。その席からは上の方から見下ろす形になり、オーケストラピットの指揮者や舞台上の後ろの演者さんまでよく見えました。(※演者さんの顔は少し遠くて認識しづらいかもしれません。)

補助席座席表
引用元:博多座公演案内(https://www.hakataza.co.jp/lineup/39#a5) 

キャストについて

4月6日(日)福岡公演初日でした。17時からの公演に行ってきました。

ちなみに本日の主要キャストは・・・

ジャン・バルジャン:佐藤隆紀
ジャベール:小野田龍之介
ファンテーヌ:木下晴香
エポニーヌ:屋比久知奈
マリウス:中桐聖弥
コゼット:敷村珠夕
テナルディエ:斎藤司
マダム・テナルディエ:谷口ゆうな
アンジョルラス:木内健人

日にちによって配役が異なりますが、他にもたくさんの素晴らしいキャストの方々で作り上げられています。

全員の演技が素晴らしかったのですが、一番印象に残ったのはエポニーヌ役屋比久知奈さんです。彼女を観るのは2回目でしたが、前回以上にパワーアップしていました。第2幕の早い段階での「オン・マイ・オウン」の歌唱では、力強いロングトーン素晴らしい声量が印象的で、そのロングトーン後の静止の瞬間は公演の中で最も静まり返った瞬間だったと感じました。声をあげてはいけない場面で、近くにいた方が思わず声を上げてしまうほど、その歌声と表現力には圧倒されました。

また、知らない方はびっくりされるかもしれませんが、芸人の斎藤さん(トレンディエンジェル)も出演されています。彼の「テナルディエ」を観るのも2回目でしたが、歌唱力と演技力に驚きます。嫌な役をおもしろく演じつつ、芸人としての活動をしながらもこれだけできるとは、本当に感心します。

演奏とセットについて

歌だけではなく、生オーケストラ演奏舞台セットも素晴らしく、ステージが一層輝いて見えました。照明が暗くなり、一番最初にこのオーケストラ演奏が力強く響き始める瞬間はワクワクが止まりません。開幕の「囚人の歌」、この曲を聞くと始まったという感じです!この生演奏があるからこそ、俳優さんたちの演技はさらに引き立っていると感じます。また、舞台の下には生演奏を行うオーケストラピットがあり、休憩時間にでもその様子を見ることも可能です。さらに、舞台セットはまるで映画の中にいるかのような見事な作りで、建物が動いたり、演者さんたちが歌いながら巧みに動かしたりする様子は驚くべきものです。すべての要素が一体となって、観客に忘れられない体験を提供してくれます。

一番好きなシーン

こちらもたくさん選択肢があるので、本当に選び難いのですが、一番好きなシーンは第1幕の最後の歌ワン・デイ・モア(One Day More)」のところです。第1幕の終わりというより、これですべてが終わるのかと思うくらいに歌が盛り上がるシーンとなっています。一人一人がそれぞれの思いを歌い始め、だんだんと登場人物が増えていき、最終的にはみんなで合唱する場面です。いつの間にか隊列を組み、みんなで少しずつ前進しながら歌い、最後に全員が拳を上にかざす瞬間には、すぐに拍手喝采が起こりました。初めて観た時も、この場面で一番心が動かされたことを覚えています。3回目でもやっぱりこのシーンが一番でした。

終わりに

第1幕が90分、30分の休憩をはさんで、第2幕が70分という3時間近くの公演ですが、本当にあっという間に終わってしまいました。まだ何度でも観たい、他のキャストも全部観たい、どうにかしてまた行けないかと考えてしまいます。生で聴く歌声や演奏、俳優さんたちの表現力に圧倒され、明日からも頑張ろうという気持ちになります。歌で人の心を動かことができるなんてすごいことだと思います。ミュージカルを観ることは、私にとって非日常を味わい、他のことを忘れさせてくれる特別な体験です。その中の世界観に入り込み、嫌なことなど何も考えずに忘れて楽しみました。

今期の「レ・ミゼラブル」は帝国劇場からスタートし、大阪、福岡を経て、残りの公演長野、北海道、群馬で行われます。私が観たのは「レ・ミゼラブル」で、他のミュージカルがどのようなものかはわかりませんが、まだ観たことがない方には是非「レ・ミゼラブル」をおすすめしたいです!

長野公演 5月9日(金)~15日(木)まつもと市民芸術館
北海道公演 5月25日(日)~6月2日(月)札幌文化芸術劇場hitaru
群馬公演 6月12日(木)~6月16日(月)高崎芸術劇場

※まだ博多座公演も、残席がある場合のみ当日券の販売が当日10時からあるそうです!

引用元:東宝による『レ・ミゼラブル』日本公演公式サイト(https://www.tohostage.com/lesmiserables/ticket.html#tour)・
博多座 (https://www.hakataza.co.jp/lineup/39)