日本では2016年に『ナオミとカナコ』(広末涼子さんと内田有紀さん)としてドラマ化されていて、その韓国リメイクが『あなたが殺した』です。本家はおもしろそうだなと思っていましたが、最初の話を見逃してしまい内容を知らず、Netflixにもありません。とはいえ、日本版を知らなくても全然いけました。知らずに観たほうが新鮮な気がします。少しずつ観るつもりだったのですが、スリリングな展開が続いて途中でやめられませんでした。全8話なのであっという間です。今回は『あなたが殺した』のあらすじと感想をお伝えします。
予告編
キャスト
ウンス:チョン・ソニ
ヒス:イ・ユミ
ジンピョ(ヒスの夫):チャン・スンジョ
チャン社長:イ・ムセン
チャン・ガン:チャン・スンジョ
ジニョン(ジンピョの妹):イ・ホジョン
あらすじ・感想
このドラマは、傍観者の存在がストーリーの核心を担っていると感じます。家庭環境やこれまでの経験が、登場人物の選択に深く影響を及ぼしてしまう「見て見ぬふり」の心理が、物語を染めていくのが印象的でした。
ウンスとヒスは高校時代からの親友、ヒスは夫ジンピョからの日常的な暴力に耐え続け、限界を迎え自分を終わらせようと考えるほど追い詰められます。そんなとき、ウンスが現れ夫の殺害を提案します。殺しのシュミレーションさえ恐ろしいと感じる程でした。計画を立て実行へと向かうはずが、思わぬ展開が彼女たちを待ち受けます。想定外の人物の介入や、見られてはいけない人に見られてしまう瞬間、そして緊張感が途切れない展開が続き、私も終始ヒヤヒヤしました。
第2話ではヒスの悲惨な現状が更に明らかになり、心が重くなります。虐待の描写は強烈で目を覆いたくなる場面も多いので覚悟が必要です。ジンピョは本当にひどい男で、許せません。家に監視カメラを置く描写やGPSでの居場所追跡といった異常な監視手段が次々と登場し、計画がうまくいくのか緊張は高まる一方です。第4話へ向けて、いよいよ何かが露見する瞬間が近づいてくる様子には背筋が凍りました。
物語はウンスたちの計画実行後、さらに次々とヒヤヒヤする出来事を重ねます。刑事であるジンピョの妹ジニョンは、直感的な洞察力が鋭く厄介な存在で、すぐにバレてしまうのではと思いましたが、自分のことしか考えていない態度が思わぬ結果を招くことになりました。さすがジンピョの妹だという性格をしています(笑)。昇進を優先する家族や、他人ごとに見える周囲の姿が、暴力を正当化する原因になっている気がしました。
キャストの魅力も見逃せません。チン社長役のイ・ムセンさんは、『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』での殺人鬼の印象が強かっただけに、初登場時は怪しく、悪役を疑います。ヒスを演じるイ・ユミさんは、『イカゲーム』での登場が遅いキャラクターながら強い印象を残した女優さんです。DVに耐える悲壮感と、時折見せる笑顔のギャップが印象的です。チャン・スンジョさんが演じるDV旦那とチャン・ガン、同じ人が二役を演じる場面は圧巻でした。チャン・ガンの最初は弱々しい印象からの豹変ぶりが見事で、別人にも見える二役の演技力に圧倒されます。
物語の核となるのは、やはり「見て見ぬふり」が生む連鎖です。ウンスは自分の親や職場の身近な人物のDVを目の当たりにしており、同じ悲劇を繰り返させたくないという強い思いから、ヒスを救おうとします。この決断は単なる復讐心ではなく、長年の後悔を伴うものでした。一方、ジンピョの家族は昇進や自己保身に走り、被害者を見捨てる態度が暴力を正当化する役割を果たしてしまいます。
結末については、序盤の暗さから完全な解決には至らないかもしれない、という予測を持っていました。しかし作品は、考えさせられる余韻を残す形で終わり、私にとっては納得のいく終幕だったと感じます。見て見ぬふりは、時として取り返しのつかない結果を招くことがある――このドラマはその現実を強く訴えかけてきます。
※本ページは2025年11月時点の情報です。最新の配信状況はNetflix公式サイトにてご確認ください。
終わりに
視聴後、少し調べてみると、日本版とは少し違うとの噂があります。日本版もどうにかして観たいと思っています。
私にとってDVは身近なものではないので、現実味が薄いと感じます。しかし、テレビのニュースで目にすることもあり、現実の問題であることは確かです。人を傷つける行為は絶対に許されませんし、DVも決して許されるべきものではありません。もし身近にそのような状況があったら、私には何ができるのかを深く考えさせられました。
ついこの前見た、『ウンジュンとサンヨン』も親友のお話でしたが、友情の描かれ方には大きな違いがありました。ただ、親友のためだけに殺人を犯せるわけではなく、これまでの経験や家庭環境がそうさせてしまうのだと感じました。
