Netflixでも観られるおすすめのWOWOWドラマPart3

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以前、Netflixでも観られるおすすめのWOWOWドラマとしてPart2までご紹介しましたが、まだまだおすすめはたくさんあります。正直なところ、観た作品はどれもおもしろかったです。そこでPart3では、私が最近観て特に印象に残った3作品をご紹介します。今回取り上げる作品には、現実社会と深く関係するテーマを描くものも含まれており、特に強くおすすめできる内容です。新たな発見とともに、WOWOWの奥深いドラマの世界をぜひ感じてください。

蝶の力学 殺人分析班

このドラマは、冒頭ではただの猟奇殺人に見えましたが、犯人の複雑な背景が絡む動機は予測が難しいものでした。思いがけない人間同士のつながりが生む結末には、驚きと悲しみが残ります。

主人公は警視庁捜査一課の十一係の刑事・如月木村文乃さん)で、如月が信頼する上司・鷹野青木崇高さん)が公安部への異動を目前に控えるなかで起きた出来事が描かれます。その間に発生する事件で、資産家の天野大場泰正さん)が自宅で殺害され、猟奇殺人と見られる事件を如月中心で捜査することになります。捜査の途中、犯人とみられる人物から新聞社宛てにメールが届き、次々と新たな事件が発生してしまいます。如月の十一係のチームのメンバーには石倉本隆宏さん)、尾留川小柳友さん)徳さん北見敏行さん)らが所属しており、このチームが最後までとても良い連携を見せます。

作中の鷹野のセリフで「蝶の力学」のことを言っており、

「バタフライ効果 ブラジルで小さな蝶が羽ばたくと、やがてテキサスで大きな竜巻が起こる。力学系のある状態に小さな変化を与えると驚くような結果が生じるってやつだ。」

といった説明で、当時はよくわかりませんでした。しかし犯人の動機や背景が明らかになると、このドラマ名の意味が理解できたような気がします。さらに、犯人が判明してから改めてその人物が登場する場面に戻って再度観てみると、目の演技をしていた場面に気づき、そんな演技をしていたとはと感心しました。まさかの結末と、さらに「終わったかと思いきや…」と続く展開にはハラハラさせられ、非常に面白かったです。

このドラマは、推理をともに楽しむこともでき、犯人の背景が明らかになるとタイトルの意味がより深く理解できると思います。猟奇的な描写は好みが分かれるかもしれませんが、ミステリー・サスペンスや刑事ドラマ好きには強くおすすめです。全6話、約50分です。

実はシリーズものということを観終わってから知りました。

『石の繭 殺人分析班』(2015年)
『水晶の鼓動 殺人分析班』(2016年)※U‐NEXT、Huluでので配信あり
『蝶の力学 殺人分析班』(2019年)

本シリーズは第3弾ですが、私はシリーズものだと知らずに観始めました。前作を観ていなくても楽しめました。ただし、シリーズを時系列で観ると、関係性や成長の過程をより詳しく理解できるようです。なぜかこの『蝶の力学』(2019年)だけがNetflixで配信が始まっていました。前シリーズはNetflixにないので、なんとかして観ようと思っています!

フェンス


『フェンス』は、沖縄の現実をリアルに描いた作品です。米軍基地問題だけでなく、性暴力や差別といった重いテーマにも踏み込み、社会問題への理解を深めるきっかけをくれます。正直なところ、私自身はそれほど話題になっていないドラマだと思い込んでいました。しかし観てみると、ひとつの“隠れた傑作”だと強く感じました。沖縄の歴史と現実を扱い、米軍基地問題だけでなく性暴力や差別といったテーマにも踏み込んでいます。

きっかけは、私の地元・長崎県佐世保市出身宮本エリアナさんが出演していることでした。Netflixのサムネイルで彼女の姿を見つけ、初めてのドラマ出演だと知り観てみることにしました。さらに、脚本は『アンナチュラル』や『MIU404』を手掛けた野木亜紀子さんであり、おもしろいはずだと納得です。主人公の取材活動を通じて、沖縄について考え直さざるを得ない、学びの機会となりました。
米兵によるレイプ事件について被害者へ取材をするために主人公のライター・キー松岡茉優さん)が沖縄を訪れるところから物語が動き出します。被害を訴えているのは黒人ハーフの桜宮本エリアナさん)、この事件を起点にキーは沖縄の歴史や現実を深くたどっていきます。
終盤の青木崇高さん演じる警察と米兵とのやり取りのシーンは、緊張感が高く心に深く刺さりました。自然と応援してしまうほどの熱量が伝わってきます。レイプ事件を追う過程には「日米地位協定」の描写もあり、米兵の公務中の事故には日本に裁判権がなく、日本の警察が十分に捜査できない、という理不尽な現実も初めて知りました。沖縄だから国が変える気がないというセリフが強く響きました。また、沖縄の方言耳慣れないカタカナ表現が自然に登場する点も見どころです。俳優陣の演技力が、作品のリアリティをさらに引き立てています。

私自身、まだ沖縄を訪れたことがなく、いつかきれいな海を見に行きたいという憧れの気持ちは強いままです。しかし同時に、日本の内部に潜む根深い問題として沖縄を知るべきだと強く感じました。キーが沖縄の歴史について問われたとき、いくつかの答えをスラスラと挙げていましたが、私はあれほどスムーズには答えられません。私の地元・佐世保にも米軍基地があり、生まれた時から身近にあることを、改めて深く考える機会になりました。Netflixで配信されていなければ、こんなドラマがあること自体を知らなかったでしょう。
このドラマは「沖縄という日本の一部」を正面から見つめる作品です。日本全体が直面する問題として理解を広げるべき題材だと感じました。視聴価値は高く、日本だけでなく世界中の人に知ってほしい作品です。全5話、各話約60分です。

坂の途中の家

このドラマは、子育ての大変さと家族・社会の理解の難しさを深く考えさせる秀作です。裁判員制度を軸に、さまざまな立場の人々の葛藤がリアルに描かれ、子育ての現実と周囲の反応が交錯します。

中心となるのは、3歳の娘を育てる専業主婦・山咲里沙子柴咲コウさん)。そして、生後8か月の娘浴槽に落とし死なせた事件を起こした安藤水穂水野美紀さん)をはじめ、子どもがいない編集長、共働きの裁判官など、多様な立場の人々の苦悩が丁寧に描かれます。終盤で里沙子の過去が明かされ、被告人との共感が生まれる演出も印象的でした。最初は理解できなくても、境遇が重なる瞬間が少しずつ訪れると、視点が変わってくるのを感じました。

このドラマの魅力は、子どもを持つ母親の心を中心に、家庭のあらゆる場面に潜む問題が裁判員制度を通じて進む点です。裁判員候補が実際にどんな準備をし、どんな議論を交わすのかが丁寧に描かれていて、観る者には新鮮な臨場感があります。多様なバックグラウンドを持つ人々の意見がぶつかり合う場面は、私自身の価値観を揺さぶられる経験でした。以前から思っていましたが、実際の裁判を見たくなりました。

私は独身で子どもを持ったことはありませんが、画面の向こう側で展開される“育児の現実”は強く胸に迫りました。子育ては誰かのせいではなく、日々の協力と理解の積み重ねだと痛感します。とくに、旦那さんの協力が得られない、姑との価値観の違いに悩む、そんな身近な悩みがリアルに描かれていて、共感の輪が広がります。

終盤、里沙子の過去が明かされるあたりは、被告人と里沙子の境遇が徐々に重ねられていき、観る者が自分の体験と照らして考えを深める展開です。裁判長の判決時のセリフは特に印象的で、誰にもわかってもらえなかった苦しみを、被告人が「やっと理解してもらえた」と思える瞬間だったと感じました。最後に里沙子が述べた意見が、この導きを作り出したとも思います。

このドラマは、子育てを取り巻く周囲の理解と協力の重要性を強く訴えています。夫の理解、姑との価値観の衝突、そして社会全体の反応――さまざまな場面で“見守る視点”が求められることを教えてくれます。見終わった後も、私たちは自分の身近な人々との関係や、子育てに対する社会の支え方について考えさせられました。

子育てを取り巻く理解と協力の大切さを、改めて強く感じさせてくれる作品です。家庭や子育てについて、新しい見方が生まれるドラマとして、ぜひ多くの人に見てほしいと感じました。全6話、各話約50分です。

※本ページは2026年2月時点の情報です。最新の配信状況はNetflix公式サイトにてご確認ください。

終わりに

『蝶の力学』は少し非現実的に感じられる場面もありますが、シリーズを全部観たいと思わせる魅力がありました。『フェンス』と『坂の途中の家』は現実社会とリンクしていて、理解すべきことが多く詰まっていたと感じます。このドラマを見ていなかったら知り得なかった事実や考え方に気づかされ、視聴して本当によかったです。