Netflixでも観られるおすすめのWOWOWドラマ4選

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Netflixを観ている時に、オリジナル作品や地上波の作品以外で見かけるドラマに「これはどこのドラマなのだろう」というものを見かけたことがありませんか。その中にはWOWOWが不定期に製作・放送している『ドラマW』いうものがあることを知りました。全体が10話以内や5話程度と短めで、少し長めの映画のような充実感を味わえるような作品がたくさんあります。今回はその中から私のおすすめを4つご紹介します。

ソロモンの偽証

この作品は高校を舞台に、真実の曖昧さと真相追求の難しさを描いた物語でした。
物語は、雪が積もった朝、主人公の藤野京子上白石萌歌さん)がクラスメイトの柏木野村裕基さん)の死体を発見する場面から始まります。警察は自殺と断定しますが、京子のもとに匿名の手紙で自殺ではないとの証言が届きます。京子は同級生の死が自殺か他殺を学校裁判という形式で追及し、真相を明らかにしようとする内容です。真実に近づいていくにつれて、最後には衝撃的な真実が明らかにされます。しかし、誰かが嘘をついていれば真相が解明されることはありません。ここから「誰も本当のことを知らなければ、嘘も真実も見分けられない」という深いテーマが浮かび上がります。私も実際の裁判を目の当たりにしたことはありませんが、証人の証言の真偽や裁判の信憑性について考えさせられることがあります。証言だけは真実は確定しません。その証言をした人が心の中で何を思っているのか、その人しか知らない情報があれば、黙っていれば真相は闇の中です。人間の心理や言動の複雑さも絡み、真実の見極めは非常に難しいと感じることがあります。

映画版は何年か前に観た記憶があり、1990年代の中学校を舞台にしています。一方、ドラマ版はSNSも普及した現代の高校が舞台となっています。また、キャストでは映画版の中学生の浅井松子役富田望生さんが演じていましたが、ドラマ版では高校生の松子役をまた富田さんが演じ、時代背景とキャラクターの変化を楽しめる点も魅力です。異なる設定で、同じ物語に新たな視点や世界観を味わうことができます。
この作品は、「真実の曖昧さ」と「嘘と真実の境界」を問いかける深い物語です。私たちもまた、現実で真実を見極める難しさを考えさせられる作品だと思います。全8話、各話約60分です。

キャスト:中学生(映画版)→高校生(ドラマ版)
藤野涼子:藤野涼子→上白石萌歌
神原和彦:板垣瑞生→宮沢氷魚
野田健一:前田航基→浮所飛貴
三宅樹理:石井杏奈→山本舞香
浅井松子:富田望生→富田望生(変更なし)
大出俊次:清水尋也→坂東龍汰

『ソロモンの偽証』をNetflixで観る

0.5の男

この物語は、引きこもりの雅治(松田龍平さん)が「2.5世帯住宅」通じて成長していく感動的なストーリーです。
主人公の40歳の雅治は両親も住む実家で引きこもり生活を送っていましたが、実家が建て替えられることになり、新しい「2.5世帯住宅」が完成し、妹の沙織臼田あさ美さん)家族との同居が始まります。最初は自由だった暮らしが一変し戸惑いや混乱もありました。しかし、妹家族と過ごす時間を経て、少しずつ外の世界に出て家族以外の人と関わるようになり、社会復帰への一歩を踏み出します。雅治だけでなく、妹夫婦の子どもたち、特に娘の恵麻白鳥玉季さん)も大きく変化し成長していく場面は印象的でした。
また、「2.5世帯住宅」の設定は、現実の家族間の問題をリアルに描きつつ、希望や未来への前向きなメッセージを伝えていると感じます。妹の沙織は仕事と家庭の両立、恵麻や息子の蓮(永瀬矢紘さん)は新しい環境に馴染めない悩みを抱えながらも、それぞれの困難を乗り越えていきます。一見暗いテーマの引きこもりも、家族の理解と絆で希望を持てる前向きなストーリーへと変化します。特に、母(風吹ジュンさん)や父(木場勝己さん)は雅治に働くことを強要せず、ただ息子の幸せを心から願っている姿に心打たれます。明日からまた頑張ろうと思えるストーリーでした。最終的には「2.5世帯住宅」の生活も楽しそうに見えてきます。雅治がなぜ引きこもりになったのか、その背景も少しずつわかり、社会での生きづらさもリアルに描かれていました。

この作品は、家族の温かさと理解の大切さを描き、引きこもりや社会の生きづらさに共感するところがあります。明日からまた頑張ろうと思える、希望に満ちた心温まる内容です。家族や社会との関わりに悩む人にとって、大きな励ましになる作品だと感じます。全5話、各話約60分です。

ところで、「0.5の男」とは何だろうと思っていましたが、親世帯と子世帯の2世帯に子世帯の単身の兄弟姉妹が加わると、「2.5世帯住宅」になるということを初めて知り、その意味も理解できました。

0.5の男をNetflixで観る

両刃の斧

この作品は、過去の事件の真実を警察や家族の視点から追求しつつ、家族への深い思いや絆が描かれていました。娘の事件をきっかけに展開する物語ですが、これはだれにも予測しがたく、最後まで一気に引き込まれます。
柴田恭兵さん演じる捜査一課の柴崎佐千夫長女の曜子見上愛)が刺殺体で発見されたことから物語が展開されますが、事件の真相はわからず犯人不明のまま時が経ちます。15年後、佐千夫は刑事を辞め妻の三輪子風吹ジュンさん)を看病しながら余生を過ごしている中、柴崎の部下だった川澄成克井浦新さん)が15年前の事件を再捜査することになります。事実が徐々に明らかになる中で、15年前に一体何が起きたのか、最終的に判明した事実には大きな衝撃を受けました。まさに「墓場まで持っていく」という言葉が浮かび、深い悲しみや怒りが描かれ、柴田さんの娘を失った感情表現が見事でした。終盤の彼のシーンでは思わず、涙を誘われるような引き込まれる場面もありました。
再捜査を通じて、次第に明らかになっていく過去の秘密にはハラハラさせられます。複雑な背景と様々な登場人物の行動や言動に混乱させられ、誰が真犯人なのか推理しながら観る楽しさもあります。いかにも怪しい人物が事件の犯人だったり、違ったりする時がありますが、この作品はそれに当てはまります。

柴崎と川澄はプライベートでも家族ぐるみの仲であるため、終盤での彼らの緊迫したやりとりでは、柴田さんと井浦さんの迫力ある演技に圧倒されました。川澄の成長した娘日葵奈緒)も警察官として登場するなど、家族と人間関係の絡みも見どころです。
この作品は、『ソロモンの偽証』と同じく、誰かが秘密を隠し続ける限り、真相には絶対にたどり着けないというテーマを強く感じさせます。真実の追究の難しさと、家族の絆の重要性が深く伝わってきました。全6話、各話約60分です。

両刃の斧をNetflixで観る

正体

この作品は登場人物がどんな人物か、接した人にしかわからない内面の深さを強く感じさせるすばらしいものです。作品のポイントは、冤罪や人間関係、労働問題など多様なテーマに直面しながら、主人公の人間性や周囲の人々の信頼を描いている点です。接する人々が彼が本当は無実だと信じる姿には感動しました。

主人公鏑木慶一亀梨和也さん)は殺人事件の犯人として死刑判決を受けます。その後脱獄し、逃亡する中で様々な人々と接し、彼に対する信頼や疑念が入り混じる中で、彼の本当の人間性が見えてきます。鏑木は名前や職業を変えながら逃亡生活を送りますが、実際の彼の人間性は変わらず、その演じ分けを亀梨さんが見事に演じている点も印象的です。彼が演じる様々な役柄を通じて、彼の演技力の高さも伝わります。
また、登場人物の中では、市原隼人さん演じる建設会社作業員の野々村和也貫地谷しほりさん演じるメディア会社社員の安藤沙耶香堀田真由さん演じる介護職の酒井舞らも重要な役割を果たします。彼らとの交流を通じて、誰が本当の味方か、誰が信じられるかというテーマが深く描かれています。中でも、貫地谷さん演じる沙耶香の行動は、鏑木を深く信じている様子が伝わり、強く印象に残りました。

この作品は私にとって非常に考えさせられる要素が詰まっていました。特に、逃亡中の人物と接した場面では、信じることの難しさや、人物の本質についての問われる場面は印象的です。個人的には映画版よりも、4話構成のドラマ版の方が、様々な視点から人物を描いているため、より深く理解できて好きでした。冤罪という重いテーマでありながら、登場人物の内面や人間関係に焦点を当て、無罪を証明しようとする人々の信頼希望を見ることができる感動的な作品でした。全4話、各話約60分です。

キャスト:ドラマ版→映画版
鏑木慶一:亀梨和也→横浜流星
井尾由子:黒木瞳→原日出子
野々村和也:市原隼人→森本慎太郎
安藤沙耶香:貫地谷しほり→吉岡里帆
酒井舞:堀田真由→山田杏奈
又貫征吾 :音尾琢真→山田孝之

正体をNetflixで観る

※本ページは2025年5月時点の情報です。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください。

終わりに

WOWOWのドラマは比較的和数が短めで、気になるところで続きになり、一気に観やすいのが魅力です。ただ、私はWOWOWの契約はしていないため、Netflixで配信開始されてから観ました。WOWOWのドラマも、Netflixのように独自で製作しているドラマは映画のようなクオリティの作品を楽しめます。WOWOWには残念ながら無料お試し期間がなく、月額2,530円(税込)となっています。どうしてもすぐに観たい作品があれば契約も選択肢になると思いますが、私はNetflixに後になって配信開始されるものでも満足です。