以前、10話以内で観られるNetflix韓国ドラマとしてご紹介したことがありますが、まだまだおすすめの短編作品はたくさんあります。そこで今回はPart2として、最近私が観た作品も含めて厳選したいくつかをご紹介します。この記事では、10話以内の短い話数で楽しめる、私のおすすめの韓国ドラマをNetflixから3つピックアップしています。
明日7月19日(土)から始まる3連休に合わせて、特にどこにも出かけずおうちでゆっくり過ごしたいという方には、ぜひ一気に見る参考にしていただければと思います。今回ご紹介する作品は、少しダークな雰囲気のものが中心となっています。
弱いヒーロー
Class1(シーズン1)
シーズン2まであるこのドラマですが、一気見してしまうほどおもしろかったです。友達の大切さを感じる一方、すれ違いや誤解から取り返しのつかない事態に発展するリアルな側面もありました。
主人公のヨン・シウン(パク・ジフンさん)は勉強しかしていないような優等生ですが、クラスメイトの悪い奴に目を付けられたことから物語が動き始めます。様々なトラブルに巻き込まれていきますが、その過程で助けてもらい友達になったスホ(チェ·ヒョンウクさん)とボムソク(ホン・ギョンさん)と関わっていくことになります。それまでのシウンはいつも勉強だけに集中し孤立し、周りに興味なし、笑顔なし、話しかけるなという雰囲気を出していましたが、彼らとご飯に行ったり、いっしょに過ごしたりと楽しむうちに、少しずつ変わっていく姿が良かったです。
シウンは喧嘩が強いわけではなく、頭を使って状況に対処するタイプで、喧嘩の場面ではその知性と不屈の精神にすごみがあります。近くにあったものを武器にするシーンを見ると、サイコ感を感じ(笑)もし敵側なら怖いです。また、スホの「お前って一歩も引かないよな」という言葉も的を射ていて、殴られても引かない、絶対にあきらめない強さが伝わってきます。さらに、何を言われても動じない彼の姿からは、打たれ強さのようなものも感じられました。
シウン役のパク・ジフンさんについて調べていたところ、元アイドルとのことでキラキラアイドル系の画像が出てきたもので、シウンの悲しげな無表情とのギャップが衝撃で(笑)、演技の幅に驚かされました。
ドラマ名通り、喧嘩が強いわけではない人物を主人公としている内容が独特で、どこか不思議な引きつけられるおもしろさがありました。強者に徹底的にやられたら怖くて怯みそうなところを、シウンは全く怖がる素振りを見せない強さが印象的です。
結末ははっきりしない部分もあり、観る者に考えさせるような内容となっていました。それがシーズン2へと続きます。全8話、各話約40分です。
◆配信開始
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) April 25, 2025
Netflixシリーズ『弱いヒーロー Class2』(韓国)
新しい学校、新しい友達。過去のトラウマを胸に、さらに厳しい現実に立ち向かっていくシウン。
仲間のために戦う少年の成長と、必死のサバイバルを描く学園ドラマの続編。#弱いヒーローClass2 pic.twitter.com/xEYVtFb2aK
Class2(シーズン2)
シーズン2では、新しいキャラクターたちの登場により、シウンの成長と前進が見られました。シーズン1の結果、シウンはこれまであった出来事を乗り越えることができず、トラウマを抱えながらもウンジャン高校へ転校することになります。また、孤独に過ごそうとしたシウンですが、新キャラたちに導かれ、再び友情に目覚めていく姿を見てホッとしました。
シーズン1の最後で登場していたヒョマン(ユ・スビンさん)、新しくジュンテ(チェ・ミニョンさん)、コタク(イ・ミンジェさん)、パック(リョウンさん)など他にも出てきますが、それぞれがとても個性的なキャラクターです。この新キャラ達を軸とした喧嘩に巻き込まれていきます。
シーズン1でのスホの存在は、シウンにとても大きな影響を与えていると感じましたが、2での新しい友達もさらに彼を大きく前進させたと強く感じました。特に、パックは明るく正義感あふれ、喧嘩が強いキャラクターで、初登場シーンがとても印象に残っています。また、パシリのジュンテやボス的な存在のヒョマンまでも、シウンの登場により大きく変化していくところは見ごたえがあります。彼らの言葉や行動にシウンが動かされる場面があり、シーズン1よりも友達との絆がより大きくなったような気がしました。2でもシウンの戦いぶりは相変わらず武器系が多くて怖かったです(笑)。以前よりも殴られ強さも増していてるような気がしました。今回の一番ラストの敵はかなり手ごわく、喧嘩シーンが徹底的に殴り蹴り痛々しかったです。
2では新キャラや激しい戦闘シーンを通じて、シウンや仲間たちの絆や成長を描いており、作品としての深みが増していると感じました。結末は良い場面がきた!と思いきや・・・エンディング途中で???続きがあるような予感でした。シーズン3を期待しています!全8話、各話約40~50分です。
運の悪い日
◆配信開始
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) April 18, 2025
『運の悪い日』(韓国)
タクシー運転手のオ・テクは、高額を提示する長距離客クム・ヒョクスを乗せることになり幸運を喜ぶ。
だがヒョクスの恐ろしい秘密が明らかになるにつれ、車内に不穏な空気が漂い始め…⁉︎#運の悪い日 pic.twitter.com/Gd7BtzfWbO
このドラマは、タクシーの運転手オ・テク(イ・ソンミンさん)と連続殺人鬼クム・ヒョクス(ユ・ヨンソクさん)の壮絶なサスペンスを描いた物語です。
最初は、運の悪いおじさんが殺人鬼を客として乗せて、タクシー内で色々あるというストーリーなのかと思いきや、中盤からは予想外の展開になり、次から次へと目が離せなくなります。さらに、家族や復讐をテーマにした人間模様が描かれ、その心理戦と緊迫感がドラマの魅力を高めています。
タイトル通り、「どれだけ運が悪いんだこのおじさん(笑)」と思うほど最悪な事態が続き、ハラハラさせられます。でも、「運の悪い」という言葉だけでは済まされないほどたくさんの困難が次々と起きます。その裏では、息子を殺された女性ファン・スンギュ(イ・ジョンウンさん)が息子の死の真相と復讐のために奮闘します。
テクとスンギュの家族を思う気持ちや、最初は陽気なイメージだったテクのどんどん変わっていく姿には悲しさと痛々しさを感じました。物語序盤と終盤のテクの表情の変化に注目です!彼らの無謀さも家族を大切に思う気持ちがあってこそだと強く伝わり、感情移入せざるを得ません。一方、殺人鬼との緊迫した心理戦や激しい対決は迫力満点であり、俳優の演技も非常に巧みです。何度も「この殺人鬼はなんてひどいやつなんだ」とイライラさせられ、警察の対応にも疑問を感じました。また、ゾッとするようなシーンや、目覆いたくなるような残酷な場面もあり、サイコパス的な要素が結構入ってきます。このサイコパスとの取引や対決シーンは、見ていてこちらも腹立たしく、一人で観ていたのに独り言で罵っていました(笑)。演技力にすごみがあり、この二人の他の作品を観たいと思わせられるほど圧巻でした。全10話と見やすく、単なるサスペンスを超えた深みと予測不能な展開で、次も絶対に観たくなる魅力があります。週一放送だと、待ちきれないほどのスリルと緊張感を味わえるので、サスペンス好きには特におすすめです。各話約50~65分です。
殺人者のパラドックス
Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』キーアートも公開!
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) January 12, 2024
2月9日より独占配信スタート!#殺人者のパラドックス pic.twitter.com/5F0uYsamE8
この作品は、正義とは何かについて深く考えさせられる内容でした。「悪い犯罪者を殺すことは正義なのか」というものがテーマで、賛否両論な内容となっています。私は日本の「デスノート」のキラが思い浮かびました。物語の結末も予想外で、途中から登場するノビン(キム・ヨハンさん)やソン・チョン(イ・ヒジュンさん)たちによる展開の変化で物語を一変させるところが魅力的です。
主人公の大学生、イ・タン(チェ・ウシクさん)は、アルバイト帰りに客とのトラブルに巻き込まれ、その結果殺人を犯してしまうところから物語が展開していきます。その事件をきっかけにさらなる殺人を重ね、やがて悪者を狙って殺人を繰り返します。一方、刑事のチャン・ナンガム(ソン・ソックさん)はその殺人事件の調査を進め、証拠はありませんがイ・タンに疑いを持ちます。最初は普通の学生だったタンが「人を殺してしまいどうしよう・・・」というところから始まりましたが、気が付くと彼の変わりゆく表情に引き込まれ、一気に観はまりました。
キャストでは特に、ソン・ソックさん演じるナンガム刑事の終盤の演技が圧倒的でした。過去の真実を知った時の葛藤や緊迫感あふれる表情がとても印象残りました。Netflixのサムネイルでは、彼の険しい表情が強面に映り、最初は悪役かと想像していましたが、警察だったのですね(笑)。また、イ・タン役のチェ・ウシクさんは、最初は弱々しい印象でしたが、物語が進むにつれ闇を背負った演技に変貌し、その演技力に驚かされました。後半はセリフが全然なかったように思えますが、表情だけでの表現に引き込まれます。有名な俳優さんたちですが、あまり出演作品を観たことがなかったので、他の作品も是非みてみたいと思うほど魅了されました。
この作品を通じて、タンやチョンたち殺人を犯した者たちの行動をたどると、殺人に至る理由はさまざまですが、だからといって殺して良いわけではありませんし、正義のあり方や善悪について深く考えさせられます。ラストは衝撃で、続きがあるのかなと、視聴者に想像させる余韻を残して終わりました。全8話、各話約50~60分です。
終わりに
以上、10話以内で観られる韓国ドラマをご紹介しました。あらためて強く感じたのは、韓国ドラマは日本の作品にはない独特の表現や発想があって、本当におもしろいということです。『弱いヒーロー』も斬新だと思いますし、『運の悪い日』や『殺人者のパラドックス』は、次はこうなるだろうなという予測を必ず裏切ってきます(笑)。こうした予想外の展開がハマる要素となっているような気がします。まだまだ私の観る予定リストが溜まっていますので、おもしろいもを見つけたらまたご紹介したいと思います!