アカデミー賞作品賞の『パラサイト半地下の家族』も!おすすめ韓国映画3選

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韓国ドラマを観る中で、韓国映画についても話題になった作品があることは知っていましたが、興味がなく観たことはありませんでした。まだ、私のように韓国映画を観たことがなく、どれを観ようか迷っている方もいるのではないでしょうか。私でも『パラサイト半地下の家族』はアカデミー賞で話題になっていたのは覚えており、そのうち観ておこうと思いながら、結局観ていませんでした。Netflixのおすすめに何気に出てきた『新感染ファイナル・エクスプレス』をきっかけに、韓国映画のおもしろさを実感し、今更やっと『パラサイト半地下の家族』も挑戦しました。どれを観ようか迷っている方には、今回ご紹介する作品は「一気に観るしかない」という内容なので、ノンストップで観れるはずです。上記2つにもう一つ加えて3作品おすすめをご紹介します。

パラサイト半地下の家族

  • 2019年公開の韓国映画
  • アジア映画で初のアカデミー作品賞
  • 上映時間:132分

この映画は、格差社会の現実と、その深刻な影響を描いた衝撃的な作品でした。半地下の貧しい家族裕福な家族の対比や、貧富の差が生み出す恐ろしい結果を目の当たりにしました。
物語は、半地下に暮らす父のギテクソン・ガンホ)、母のチュンスクチャン・ヘジン)、息子のギウチェ・ウシク)、娘のギジョンパク・ソダム)の一家の動きから始まりますギウは友人から家庭教師の代役を頼まれ、裕福なパク家の娘の家庭教師を引き受けます。彼は経歴を偽り、家族全員も運転手や家政婦になりすますことで、裕福な家庭に巧みに入り込み、笑いも交えながら緊迫感のある展開は緊張が高まりました。
物語後半で、「絶対失敗しない計画」とギテクが発したセリフが印象的でした。自分とは正反対の考え方ながら、その言葉の重みを実感しました。豪邸でのある出来事をきっかけに、ストーリーは想像を超える展開へと進み、驚きの連続であっという間に観終わります。こんなおもしろい映画をなぜ早く見なかったんだと後悔しました(笑)。

キャストには、見覚えのある俳優さんたちもチラホラいて、私もだんだん韓国の俳優さんの顔を覚えてきていることを実感しました。家政婦役のイ・ジョンウンさんはドラマでもよく見かけていて、今回の役は強烈でしたが、非常に良い味を出していました。
映画の序盤で映される半地下住宅の映像は衝撃的で、その後色々調べてみると、韓国には実際に半地下住宅に暮らす人々が存在することを知り、格差の深刻さを痛感しました。私自身も、何気に「お金持ちにはわからないか」と思ったこともあり、格差社会の現実が私たちの生活にも潜むことに気付かされます。
この作品は、単なるサスペンスやコメディの枠を超え、社会問題に鋭いメッセージを投げかけているため、多くの人にとって考えるきっかけになる映画だと感じました。

NetflixHuluU-NEXTで視聴可能

新感染ファイナル・エクスプレス

  • 2017年公開の韓国映画
  • 韓国初のゾンビ映画
  • 上映時間:118分

本作は単なるゾンビ映画にとどまらず、人間の心理や成長を描いた深いドラマでした。
物語は、仕事人間のソ・ソグ(コン・ユさん)が、娘の願いで別居中の妻に会うために釜山へ向かう高速鉄道に娘と共に乗車する場面から始まります。その中で謎のゾンビたちが襲いかかり、乗客たちは危機的な状況に陥っていきます。
乗客は妊婦とその夫、野球部の高校生、高齢の姉妹など様々な人物たちです。それぞれが異なる行動をとりながらゾンビから逃げる中で、人間の本性や心理が浮き彫りなっておもしろかったです。ドキドキハラハラのゾンビ映画なのかと思いきや、家族を守るために奮闘する者、他人も助ける者、自分だけ助かろうとする者、様々な人物の姿が印象的です。また、恐怖の中でも、走ってくるゾンビの姿は恐ろしい一方、その姿が少しだけ笑えて、不気味さとユーモアのバランスも興味深いです。

キャストの演技も作品をより深く引き立てており、特にコン・ユさんは『イカゲーム』の印象が強いですが、父親としてのソグを感動的に演じていました。彼は危機を通じて父親として成長し、家族を守るための強さと優しさを見せます。また、力強いキャラクターを演じたマ・ドンソクさんのユン・サンファは一押しのキャラクターで、彼なしでは乗り越えられないと思うほど頼りがいがあり、思わず応援していました(笑)。さらに、キム・ウィソンさんが演じるヨンソクは、しつこさと嫌味さが痛いほど伝わりますが、物語を盛り上げるために必要なキャラクターだったと感じました。

この映画はゾンビの恐怖だけにとどまらず、人間の成長や絆、自己犠牲のテーマも深く描かれており、考えさせられる内容となっています。緊迫感と心温まる場面が絶妙にミックスされた、奥深い作品です。
※私はNetflixで視聴しましたが、2025年5月現在はNetflixでは配信されていませんでした。

U-NEXTHuluで視聴可能

7番房の奇跡

2014年公開の韓国映画
上映時間:127分
実話をモチーフ(映画はフィクション)

この映画は、親子愛や仲間の温かさを描いた感動作で、号泣必須の作品です。特に印象に残ったのは、何も悪いことをしてない人が不当に罰せられる理不尽さと、それでも希望や優しさが見える場面です。

物語は、司法研修生の女性パク・シネさん)が模擬裁判を通じて過去の冤罪事件の真相に迫るという形で展開します。回想シーンとなり1997年が舞台に、知的障害者のヨングリュ・スンリョンさん)は娘のイェスンカル・ソウォンさん)を懸命に一人で育てていましたが、ある日誘拐殺人やわいせつ罪の冤罪に巻き込まれ、刑務所に収監されます。刑務所でヨングは「7番房」へ入れられ、極悪人とみなされて囚人たちに暴力を振るわれますが、ある出来事をきっかけに囚人たちは次第にヨングの純粋さや優しさに触れ、協力し合うようになり、無実を証明しようと奮闘します。さらには刑務所の課長までもヨングの人柄に触れ、心を動かされる姿も感動的です。ヨングの持つ純粋さや愛情深さを見ると、人間の持つ可能性に気づかされます。囚人たちのシーンは笑える場面も多く、その様子は物語に希望を与える場面でした。最終的には刑務所にいる人々が本当に素晴らしい存在で、場所さえも良いところに思えてきます(笑)。
ヨングは知的障害がありながらも、娘への愛情は誰にも引けをとらない強さだと感じました。なぜ悪いことをしていない彼が罰を受けるのか、その理不尽さに苦しみました。また、言葉でうまく伝えられない障害者の気持ちを理解しようとしない警察や、罪を着せられる状況も非常に悔しく考えさせられます。障害ゆえに真実を証明できないもどかしさも痛感しました。
さらに、映画には日本の『セーラームーン』が登場し、私もその世代だったので懐かしく嬉しかったのですが、そのシーンをきっかけに、物語が展開していくのが切なかったです。

この作品は、無実の人が不当な罪で苦しむ現実を訴えるとともに、人間の本質や優しさを映し出した、とても心温まる映画でした。10年以上も前の作品で、これも有名な作品だということは知っていましたが、そのメッセージの重さと感動は色あせません。悲しいシーンもありますが、それ以上に温かさや希望を感じられる場面が多く、決して悲劇だけの映画ではありません。是非観てほしい、心に残る素晴らしい作品でした。
※以前Netflixで配信されていましたが、残念ながら現在は配信されていません。

U-NEXTで視聴可能

※本ページは2025年5月時点の情報です。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください。

終わりに

以上、3作品をご紹介しました。ジャンルは異なるものの、どれも一気に観られて飽きる暇もないほどおもしろかったです。韓国ドラマは長編で時間がかかりますが、映画は2時間程度でも濃密で楽しめました。邦画同様、韓国映画を観る回数も増やそうと思います。話題作は期待通りのおもしろさで、俳優さんの新たな魅力も発見できました。映画館でも観たことがないので、いつか気になるものが公開されたら足を運んでみようと思います。